メタ情報
- タイトル(60文字以内): AIエージェントでWordPress構築|第2回:テーマ・プラグイン構成編
- メタディスクリプション(120文字以内): SWELLテーマを選んだ技術的な理由と、8個のプラグイン構成の設計思想を解説。AIエージェントがカスタマイザーAPIやChrome拡張で設定を自動化した具体的な手順も公開。
- 推奨キーワード: SWELL テーマ 選定理由 / WordPress プラグイン 構成 / AIエージェント SWELL 設定 / SEO SIMPLE PACK 設定
- 推定読了時間: 約10分
- ターゲット: AIエージェントに興味のあるエンジニア・Web制作者・IT系コンサルタント
シリーズ概要
- 第1回:全体設計編
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編(この記事)
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編
なぜSWELLなのか:AIエージェントとの相性で選んだ
WordPressテーマの選定基準は、デザインの好みではなく「AIエージェントがどこまで自動操作できるか」で決めた。
比較検討したテーマ
| テーマ | 価格 | カスタマイザーAPI | ブロックエディタ対応 | 日本語サポート |
|---|---|---|---|---|
| SWELL | 17,600円(買い切り) | 充実(loos_customizerキー) |
ネイティブ対応 | 日本製 |
| Cocoon | 無料 | 標準的 | 対応 | 日本製 |
| Lightning | 無料/有料 | 標準的 | 対応 | 日本製 |
| Snow Monkey | 16,500円/年 | 充実 | ネイティブ対応 | 日本製 |
SWELLを選んだ理由は3つ。
理由1:カスタマイザーAPIの充実
SWELLはWordPressの標準カスタマイザーを拡張しており、テーマの設定項目をAPI経由で操作できる。たとえば、コピーライト表記の変更は loos_customizer[copyright] というキーで直接書き換え可能。配色、レイアウト、ヘッダー設定なども同様。
これがなぜ重要か。AIエージェントがChrome拡張でGUI操作する場合、カスタマイザーの「プレビュー画面をスクロールして、該当の設定項目を見つけて、値を変更する」という手順が必要になる。しかしAPI経由なら、HTTPリクエスト1本で設定が完了する。エラーも少なく、冪等性がある。
実際の操作例:
POST /wp-json/wp/v2/settings
{
"loos_customizer[copyright]": "2026 ごろ寝サバイバル"
}
これでフッターのコピーライトが変わる。GUIだと5クリック以上かかる操作が1リクエストで終わる。
理由2:ブロックエディタとの統合度
SWELLはGutenberg(ブロックエディタ)にネイティブ対応しており、独自のブロック(ふきだし、ステップ、アコーディオン、FAQ等)が豊富。これらのブロックはREST API経由で投稿する際にも、ブロックマークアップとして記述できる。
たとえば、AIエージェントが記事をREST APIで投稿する際、SWELL独自のブロック記法を含めた投稿が可能。これにより「投稿後に手動でレイアウトを調整する」という作業が不要になる。
理由3:プラグインとの相性表が公式で出ている
SWELLは公式サイトで「推奨プラグイン」「非推奨プラグイン」を明示している。AIエージェントにプラグイン選定を任せる際、この公式リストをインプットすることで、相性問題を事前に回避できた。
たとえば、SWELLは高速化機能を内蔵しているため、キャッシュ系プラグイン(WP Super Cache、W3 Total Cache等)は非推奨。SEOプラグインもYoastやAll in One SEOではなく、SWELLと同じ開発元のSEO SIMPLE PACKを推奨。この情報があることで、AIが「とりあえずYoast入れときましょう」みたいなミスをしない。
買い切りモデルの経済合理性
SWELLは17,600円の買い切りで、複数サイトに使用可能。Snow Monkeyは年額16,500円のサブスクリプション。療養中で収入が限られる状況では、ランニングコストが発生しない買い切りモデルの方が精神的にも楽。
プラグイン8個の構成と選定理由
「入れすぎない」が基本方針。プラグインが増えるほど、相性問題・アップデート管理・セキュリティリスクが増える。8個に絞った。
構成一覧
| # | プラグイン | カテゴリ | 役割 | AIによる設定 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | SEO SIMPLE PACK | SEO | メタタグ・OGP管理 | Chrome拡張で設定画面操作 |
| 2 | Polylang | 多言語 | 日英切り替え | Chrome拡張で言語設定 |
| 3 | Contact Form 7 | フォーム | お問い合わせ | REST APIでフォーム作成不可→Chrome拡張 |
| 4 | XO Security | セキュリティ | ログイン保護・不正アクセス防止 | Chrome拡張で設定画面操作 |
| 5 | XML Sitemap Generator | SEO | サイトマップ自動生成 | 有効化のみ(設定不要) |
| 6 | WP Multibyte Patch | 日本語対応 | マルチバイト文字の処理 | 有効化のみ |
| 7 | EWWW Image Optimizer | 画像最適化 | アップロード時の自動圧縮 | 有効化のみ(デフォルト設定で十分) |
| 8 | Google Site Kit | アクセス解析 | GA4・サーチコンソール連携 | Chrome拡張(OAuth認証は人間) |
入れなかったプラグインと理由
| プラグイン | 入れなかった理由 |
|---|---|
| Jetpack | 機能が多すぎてSWELL・他プラグインと競合。サイト表示速度にも影響 |
| Yoast SEO / All in One SEO | SEO SIMPLE PACKとSWELLの組み合わせで十分。機能重複 |
| WP Super Cache / W3 Total Cache | SWELL内蔵の高速化 + Xserverのサーバーレベル高速化で不要 |
| Akismet | コメント機能自体を無効化したので不要 |
| CloudSecure WP Security | Xserverがデフォルトでインストールしていたが、XO Securityと機能重複のため削除 |
Xserverの自動インストールでは、不要なプラグインがデフォルトで入っている場合がある。CloudSecure WP Securityがその例。AIエージェントに「不要なプラグインを確認して削除して」と指示すると、SWELLの推奨リストと照合して、不要なものを特定してくれた。
各プラグインの設定詳細
SEO SIMPLE PACK
SWELLと同じ開発元(LOOS)のSEOプラグイン。設定画面がシンプルで、AIエージェントがChrome拡張で操作しやすい。
設定した項目:
- トップページのタイトル・ディスクリプション
- デフォルトのOGP画像
- 構造化データの出力設定(著者情報、サイト名)
- Googleサーチコンソールの認証コード入力
SEO SIMPLE PACKの利点は、記事ごとのメタ情報(タイトル・ディスクリプション・キーワード)を投稿編集画面の下部に入力できること。REST APIで記事を投稿する際にも、カスタムフィールド経由でこれらの値を設定できるので、AIが記事投稿と同時にSEOメタ情報もセットできる。
Polylang(詳細は第3回)
多言語対応プラグイン。日本語と英語の2言語で運用。設定の詳細は第3回で解説する。
Contact Form 7
お問い合わせフォームのプラグイン。注意点として、Contact Form 7にはREST APIがない。フォームの作成・編集はすべて管理画面のGUI操作になる。
AIエージェントにはフォームのテンプレート(HTML)を渡し、Chrome拡張でフォーム編集画面に貼り付けてもらった。フォームのバリデーション設定、メール送信先の設定も同様にGUI操作。
XO Security
ログインページのURL変更、ログイン試行回数の制限、XML-RPCの無効化など。セキュリティ系のプラグインは設定項目が多いが、XO Securityは設定画面がタブ形式で整理されているため、AIエージェントが操作しやすかった。
設定した主な項目:
- ログインページURLの変更(デフォルトの /wp-login.php から変更)
- ログイン試行回数の制限(5回失敗でロック)
- CAPTCHA(画像認証)の有効化
- XML-RPCの無効化(ブルートフォース攻撃の防止)
- REST APIの制限(非ログインユーザーのAPI利用を制限)
Google Site Kit
Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleの連携を一元管理するプラグイン。
AIエージェントが設定画面を操作し、Googleアカウントとの連携まで進めてくれる。ただしOAuth認証の「許可」ボタンを押すのは人間がやる必要がある。ここが「AI 80%、人間 20%」の典型例。
AIエージェントによるプラグインインストールの自動化
プラグインのインストールは、Chrome拡張で以下のフローを自動化した。
- 管理画面「プラグイン」→「新規追加」を開く
- 検索ボックスにプラグイン名を入力
- 「今すぐインストール」をクリック
- 「有効化」をクリック
- 次のプラグインへ(1に戻る)
8個のプラグインを連続でインストール・有効化するのに、AIは約5分で完了した。人間が手動でやっても同程度の時間だが、AIに任せれば自分は何もしなくていい。寝ながらスマホで他のことをしている間に終わっている。
SWELLカスタマイザーの設定
AIエージェントがカスタマイザーで設定した項目の一覧。
| カテゴリ | 設定項目 | 値 | 手法 |
|---|---|---|---|
| 基本カラー | メインカラー | #2C5F8A(落ち着いた青) | API |
| 基本カラー | アクセントカラー | #E67E22(オレンジ) | API |
| 基本カラー | テキストカラー | #333333 | API |
| 基本カラー | 背景色 | #FFFFFF | API |
| フッター | コピーライト | 2026 ごろ寝サバイバル | API |
| トップページ | 表示設定 | 固定ページを使用 | 管理画面(Chrome拡張) |
| 記事一覧 | レイアウト | カード型 | 管理画面(Chrome拡張) |
| サイドバー | 表示 | プロフィール・カテゴリ・人気記事 | 管理画面(Chrome拡張) |
API経由で設定できる項目とChrome拡張で操作する項目を事前に切り分けておくと、AIの作業が効率化される。API対応の項目は一括でリクエストを送れるので、数秒で完了する。
子テーマの運用
SWELLは本体テーマ(親テーマ)と子テーマ(SWELL CHILD)の2つをインストールし、子テーマを有効化する。
子テーマを使う理由は、親テーマがアップデートされたとき、カスタマイズ内容が上書きされるのを防ぐため。CSS追加やfunctions.phpのカスタマイズは全て子テーマ側に記述する。
AIエージェントにカスタマイズを依頼する際も「子テーマの方に書いて」と指示する。AIがうっかり親テーマを編集しないように、設計書に明記しておくのが大事。
テーマ・プラグイン選定のフレームワーク
今回の経験から、AIエージェントと組み合わせる前提でのテーマ・プラグイン選定基準を整理する。
テーマ選定の基準
- カスタマイザーAPIの充実度:設定項目がAPI経由で操作できるか
- ブロックエディタとの統合度:独自ブロックがREST API投稿で使えるか
- プラグイン相性表の公開:公式で推奨/非推奨が明示されているか
- 管理画面のDOM安定性:アップデートでHTML構造が大きく変わらないか
- ドキュメントの充実度:AIの学習データにテーマの情報が含まれているか
プラグイン選定の基準
- 機能の重複がないか:テーマ内蔵機能、サーバー機能、他プラグインとの重複を確認
- REST API対応か:API対応なら自動化の幅が広がる
- 設定画面のUI構造:タブ形式やシンプルなフォームの方がAIが操作しやすい
- メンテナンス頻度:更新が止まっているプラグインはセキュリティリスク
- SWELLの推奨リストに載っているか:相性問題の回避
まとめ
テーマとプラグインの選定は「AIエージェントとの相性」という軸で判断した。デザインの好みやブランドイメージではなく、API対応度・管理画面の操作性・機能の重複排除が選定基準。
SWELLは、カスタマイザーAPI・ブロックエディタ統合・公式プラグイン相性表の3点で、AIエージェント前提の構築に最適だった。プラグインは8個に絞り、「入れすぎない」を徹底した。
次回は「多言語対応・SEO設計編」として、Polylangの設定とSEO SIMPLE PACKの運用を解説する。
シリーズ記事
- 第1回:全体設計編
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編(この記事)
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編
この記事について
- 執筆日:2026年3月
- サイト:ごろ寝サバイバル(gorone-survival.com)
- 著者:りょう
- 技術環境:WordPress 6.7 + SWELL + Xserver + Claude Cowork