メタ情報
- タイトル(60文字以内): AIエージェントでWordPress構築|第4回:運用・自動化ワークフロー編
- メタディスクリプション(120文字以内): 音声入力→AIエージェント整形→WordPress投稿までの日常運用ワークフローを公開。Claude Cowork、Chrome拡張、SuperWhisperを組み合わせた「寝ながら運用」の技術的な仕組みを解説。
- 推奨キーワード: AIエージェント ワークフロー / 音声入力 AI ブログ運用 / Claude Cowork 運用 / WordPress 自動化 運用
- 推定読了時間: 約10分
- ターゲット: AIエージェントに興味のあるエンジニア・Web制作者・コンテンツ運営者
シリーズ概要
- 第1回:全体設計編
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編(この記事)
制約条件の再確認
運用ワークフローを理解するために、まず制約を整理する。
- 腰椎椎間板ヘルニアの坐骨神経痛で、長時間座れない
- パソコンに向かえるのは体調の良いとき30分程度。それ以上は痛みが出る
- 基本姿勢はベッドで横になった状態
- スマホ(iPhone Air)での操作が中心
- 音声入力がメインの入力手段
この制約の中で、65本の記事資産を持つWordPressサイトを運用する。座ってキーボードを叩く前提のワークフローは使えない。全てを「寝ながら」に最適化する必要がある。
ワークフロー全体像
[音声入力(SuperWhisper)]
↓
[音声テキスト(粗い日本語)]
↓
[AIエージェント(Claude)で整形]
↓
[Markdown記事ドラフト]
↓
[りょうが確認・フィードバック(音声入力)]
↓
[AIエージェントが修正]
↓
[確定版Markdown]
↓
[REST API or Chrome拡張でWordPressに投稿]
↓
[SEOメタ情報・カテゴリ・スラッグを同時設定]
↓
[公開]
このフロー全体を通して、キーボードで文字を打つ場面はほぼない。音声でインプットし、AIが整形し、AIが投稿する。
音声入力環境:SuperWhisper
なぜSuperWhisperなのか
音声入力の遍歴は長い。iPhone標準の音声入力 → Googleドキュメントのブラウザ版音声入力 → SuperWhisperという経緯をたどった。
iPhone標準の音声入力は、認識精度に限界がある。特に専門用語(ヘルニア、坐骨神経痛、カスタマイザーAPI等)の認識が弱い。Googleドキュメントの音声入力は精度は改善されたが、ブラウザの制約で使い勝手に難があった。
SuperWhisperはOpenAIのWhisperモデルを使ったMac用アプリ。最上位モデルで課金しており、認識精度が劇的に改善した。専門用語もほぼ正確に認識する。
音声入力の運用ルール
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 一文を短く話す | 長文だと認識精度が下がる |
| 専門用語は初回だけゆっくり話す | 一度認識されれば、以降は文脈で補完される |
| 段落の切れ目で「まる」と言う | AIが整形する際の区切りになる |
| 修正指示も音声で出す | 「3段落目の金額を7万円から5万円に直して」のように指示 |
iPhone Air への変更
2026年1月にiPhone 13 miniからiPhone Airに変更した。理由は軽さ。ベッドで横になりながらスマホを持つ場面が多く、軽い方が手首への負担が少ない。ごろ寝しながらの操作に最適化した選択。
AIエージェントとの対話フロー
Coworkモードの活用
Claude CoworkモードはAnthropicのデスクトップツール。2026年に登場し、ファイル操作、ブラウザ制御、コード実行が統合されたAIエージェント環境。
Coworkモードの利点は「セッションの連続性」。Coworkはファイルを保持し、前回のセッションの続きから作業を再開できる。65本の記事資産をセッションにインプットしておけば、AIが全体の文脈を理解した上で作業を進める。
Proプランだと容量が足りなくなってきている。65本の記事 + 設計書 + 各種設定ファイルを常時ロードすると、コンテキストウィンドウの上限に近づく。今後どうするかは検討中。
Opus と Sonnet の使い分け(運用フェーズ)
| 作業 | モデル | 理由 |
|---|---|---|
| 記事の構成策定・リライト | Opus | 文章の構造化、トーンの調整に推論力が必要 |
| フィードバック反映(修正) | Opus | 音声フィードバックの意図を正確に汲み取る |
| SEOメタ情報の生成 | Sonnet | タイトル60文字、ディスクリプション120文字の定型作業 |
| テキスト整形(太字削除等) | Sonnet | 正規表現ベースの機械的な作業 |
| WordPress投稿(API/Chrome拡張) | Sonnet | 定型操作 |
Max x5プラン(月100ドル)でのOpus利用枠は限りがあるため、クリエイティブな判断が必要な場面にOpusを集中投下し、定型作業はSonnetに回す。
記事制作の実際のフロー
ステップ1:音声でラフな内容を吐き出す
ベッドで横になりながら、SuperWhisperに向かって話す。このときの出力はかなり粗い。話し言葉で、文法も崩れている。段落の区切りも曖昧。
えーと、マットレスの話。最初イオンで2〜3万のやつ買ったんだけど、
全然ダメで。それでニトリの低反発布団を1万円くらいで追加して、
イオンの上に敷いたんだけど、これもダメ。
で、カインズの7〜8千円のやつも試して...
最終的にムアツ30Xを16万5千円で買って、やっと落ち着いた。
ステップ2:AIエージェントが整形
この音声テキストをAIエージェント(Opus)に渡すと、記事の構造に整形してくれる。
## マットレスの遍歴
最初に買ったのは、イオンの2〜3万円のマットレス。しかし、
ヘルニアの痛みには対応できなかった。
次に試したのは、イオンのマットレスの上にニトリの低反発布団
(約1万円)を敷くという組み合わせ。これも改善しなかった。
...
ステップ3:りょうが確認してフィードバック
Coworkモードで整形された記事を確認し、修正点を音声で指示する。
えーと、ニトリの低反発布団のあとにカインズの布団も試してるから
順番直して。あと、百貨店の名前は三越、大丸とかじゃなくて、
三越、大丸などの百貨店やイオンのエアウィーヴコーナーや
西川の直営店って感じ。
この音声フィードバックをAIが解釈し、記事を修正する。「音声入力 → AI修正 → 確認 → 音声フィードバック → AI再修正」というサイクルを、1記事あたり1〜3回繰り返す。
ステップ4:WordPress投稿
確定したMarkdown記事を、REST API経由でWordPressに下書き投稿する。同時にSEOメタ情報(タイトル・ディスクリプション)、カテゴリ、スラッグ、アイキャッチ画像も設定。
投稿後、Chrome拡張でプレビューを確認し、問題なければ公開。
1日のルーティン
体調に波があるため、固定的なスケジュールは組めない。代わりに「体調レベル別のタスク」を事前に定義している。
| 体調レベル | できること | 時間 | タスク例 |
|---|---|---|---|
| 良い(PC使える) | パソコン作業 | 30分程度 | WordPress管理画面の確認、投稿のプレビュー |
| 普通(スマホOK) | 音声入力+AI | 1〜2時間 | 記事のフィードバック、新規記事の音声ドラフト |
| 悪い(横になるだけ) | 受動的インプット | — | 競合サイトのリサーチ、記事構成の思考 |
AIエージェントの大きな利点は、人間が「指示を出す」だけで作業が進むこと。体調が普通レベルでも、音声で指示を出せば30分で1記事分の修正が完了する。
100万字の出力
1〜2ヶ月で100万字以上のテキストを出力している。音声入力 + AIエージェントの組み合わせなら、このボリュームは非現実的ではない。
内訳:
- 記事ドラフト65本 × 平均4,000字 = 約26万字
- 記事のリライト・修正(複数回分)= 約30万字
- AIとの対話(設計相談、フィードバック)= 約30万字
- 設計書・メモ・戦略文書 = 約14万字
もちろん、最終的に公開される記事の総文字数はこの1/3以下。残りは「AIとの対話」や「ボツになった下書き」。でも、この大量の中間生成物が記事の品質を上げている。AIと対話しながら考えを整理し、何度もリライトすることで、音声入力の粗さが磨かれていく。
Chrome拡張によるWordPress操作の自動化
投稿の自動化フロー
Chrome拡張(Claude in Chrome)でWordPressの管理画面を直接操作する具体的な手順:
- AIが
gorone-survival.com/wp-admin/にナビゲート - 投稿 → 新規追加を開く
- タイトルを入力
- ブロックエディタにMarkdownからの変換テキストを入力
- カテゴリを選択
- スラッグを設定
- SEO SIMPLE PACKのメタ情報欄にタイトル・ディスクリプションを入力
- 「下書き保存」をクリック
この一連の操作を、AIが自律的に実行する。人間は最終確認として「下書きから公開に変更」をクリックするだけ。
REST API経由の投稿
Chrome拡張での操作が不安定な場合(ネットワーク遅延、DOM読み込み待ち等)は、REST APIで直接投稿する方法もある。
curl -X POST "https://gorone-survival.com/wp-json/wp/v2/posts" \
-H "Authorization: Basic {base64_encoded_credentials}" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"title": "記事タイトル",
"content": "記事本文(HTMLブロックマークアップ)",
"status": "draft",
"categories": [3],
"slug": "article-slug"
}'
Chrome拡張とREST APIの使い分け:
- REST API:投稿データの作成(タイトル、本文、カテゴリ、スラッグ)
- Chrome拡張:プラグイン固有の設定(SEO SIMPLE PACKのメタ情報、アイキャッチ画像のアップロード)
スキル(Coworkのカスタマイズ機能)
Coworkモードにはスキルという拡張機能がある。特定のタスクに特化した指示セットを事前に登録しておき、呼び出すだけで実行できる仕組み。
このサイトの運用で作成したスキルの例:
| スキル名 | 機能 |
|---|---|
| output-converter | セッションの会話をnote記事・X投稿・メモに変換 |
| kakutei-shinkoku | 確定申告の経費整理・弥生への入力支援 |
スキルを活用することで、「毎回同じ指示を出す」という手間を省ける。たとえばoutput-converterは、セッションの最後に「今日の会話をアウトプットにして」と言うだけで、公開可能なコンテンツを自動生成する。
ファイル管理の課題と解決策
Coworkモードの仮想環境とユーザーのMac Finderの間でファイル同期の問題が発生した。Coworkで作成したファイルがFinderに表示されないケースがある。
解決策として、ユーザーがFinderで確認できるフォルダ(全資産フォルダ)内にサブフォルダを作成し、そこに記事ファイルをコピーする運用にした。
将来的には、REST APIでWordPressに直接投稿する方式に移行すれば、ローカルのファイル同期問題自体が解消される。記事の正本はWordPressのデータベースに格納され、ローカルのMarkdownファイルは「作業用の下書き」として扱う。
今後の運用ロードマップ
| フェーズ | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| Phase 1 | 第1波10本の公開、WordPressの基本運用確立 | 1-2週間 |
| Phase 2 | 残りの記事を順次投入、内部リンク網の構築 | 1ヶ月 |
| Phase 3 | 健康経営コンテンツの量産、コンサル導線の強化 | 2ヶ月目〜 |
| Phase 4 | 英語版の投入、SNS連携の自動化 | 3ヶ月目〜 |
各フェーズで、AIエージェントの役割は以下のように変化する予定。
- Phase 1-2:記事の整形・投稿が中心
- Phase 3:新規記事の構成策定・下書き生成が中心
- Phase 4:翻訳・多言語投稿の自動化が中心
まとめ:「寝ながら運用」は技術的に可能
音声入力(SuperWhisper)→ AIエージェント整形(Claude Opus/Sonnet)→ WordPress投稿(REST API/Chrome拡張)。このパイプラインにより、座れない状態でもWordPressサイトの運用が可能になった。
キーボードを一切使わない運用は、健常者にとっては「なぜそんなことを?」と思われるかもしれない。しかし、身体的な制約がある人にとっては、これが唯一の手段になりうる。そして、AIエージェントの進化により、その唯一の手段の品質が「妥協」ではなく「実用レベル」に達している。
1〜2ヶ月で100万字以上を出力し、65本の記事資産を作り、WordPressサイトを立ち上げ、このシリーズ記事まで書いている。全て寝ながら。これがAIエージェント時代の「制約下での働き方」のひとつの形。
シリーズ記事
- 第1回:全体設計編
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編(この記事)
この記事について
- 執筆日:2026年3月
- サイト:ごろ寝サバイバル(gorone-survival.com)
- 著者:りょう
- 技術環境:WordPress 6.7 + SWELL + Xserver + Claude Cowork + SuperWhisper