メタ情報
- タイトル(60文字以内): AIエージェントでWordPressサイトを構築する|第1回:全体設計編
- メタディスクリプション(120文字以内): 非エンジニアがClaude(Anthropic)のCoworkモードとChrome拡張を使い、寝ながらWordPressサイトを構築した全プロセス。サーバー選定からドメイン取得、サイト設計、AIへの指示出しまでを技術的に解説。
- 推奨キーワード: AIエージェント WordPress 構築 / Claude Cowork WordPress / AI サイト構築 自動化 / WordPress 設計 非エンジニア
- 推定読了時間: 約10分
- ターゲット: AIエージェントに興味のあるエンジニア・Web制作者・IT系コンサルタント
シリーズ概要
このシリーズは、非エンジニアがAIエージェント(Claude)を使ってWordPressサイトを0から構築した実録です。全4回。
- 第1回:全体設計編(この記事)
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編
筆者のスペック:大手企業で10年勤務、人事部や新規事業担当部署を経験。エンジニアではない。腰椎椎間板ヘルニアの坐骨神経痛で長時間座れず、パソコンに向かえるのは体調の良いとき30分程度。この制約の中で、AIエージェントにサイト構築の実作業を委任した。
使用した技術スタック
| レイヤー | 技術 | 備考 |
|---|---|---|
| サーバー | Xserver | WordPress簡単インストール機能を利用 |
| CMS | WordPress 6.7 | Xserverの自動インストール |
| テーマ | SWELL + SWELL CHILD(子テーマ) | 国産有料テーマ、買い切り17,600円 |
| プラグイン | 8個(詳細は第2回) | SEO SIMPLE PACK、Polylang、XO Security等 |
| AIエージェント | Claude(Anthropic) | Coworkモード + Chrome拡張 |
| プラン | Claude Max x5(月100ドル) | OpusとSonnetの使い分け |
| 音声入力 | SuperWhisper(OpenAI Whisperモデル) | Mac用、最上位モデルで課金 |
| ブラウザ | Chrome + Claude in Chrome拡張 | AIがブラウザを直接制御 |
なぜWordPressなのか
2026年時点でサイトを立ち上げる選択肢は多い。Wix、Squarespace、Notion、microCMS + Next.jsなど。その中でWordPressを選んだ理由は3つ。
1つ目は、AIエージェントとの相性。WordPressはREST APIを標準搭載している。カテゴリ作成、固定ページ投入、投稿の一括操作がAPIで完結する。さらに管理画面はHTMLベースなので、Chrome拡張経由でAIがDOM操作できる。ヘッドレスCMSの方がAPI設計は洗練されているが、管理画面のGUI操作もAIに任せたい場合、WordPressの「古典的なWeb管理画面」がむしろ強みになる。
2つ目は、SWELLテーマのカスタマイザーAPI。SWELLはWordPressの標準カスタマイザーを拡張しており、/wp-json/ 経由でテーマ設定(配色、レイアウト、コピーライト等)を書き換えられる。loos_customizer[copyright] のようなキーで直接操作可能。GUIを介さずにテーマの全設定をコードで管理できるのは、AI自動化と非常に相性が良い。
3つ目は、エコシステムの成熟度。プラグインの選択肢が圧倒的に多く、日本語の情報も豊富。AIエージェントがトラブルシューティングする際も、学習データに大量のWordPress事例が含まれているため、解決精度が高い。
サーバー選定:Xserverを選んだ技術的な理由
サーバーは3社を比較検討した。
| サーバー | 12ヶ月 | 24ヶ月 | 36ヶ月 | キャッシュバック | WordPress簡単インストール |
|---|---|---|---|---|---|
| Xserver(スタンダード) | 1,100円/月 | 1,045円/月 | 990円/月 | 最大10,000円(時期による) | あり |
| ConoHa WING(ベーシック) | 1,452円/月 | 1,089円/月 | 678円/月 | — | あり |
| ロリポップ(ハイスピード) | 825円/月 | 693円/月 | 550円/月 | — | あり |
36ヶ月契約の月額だけ見るとロリポップが最安だが、Xserverを選んだ理由は以下。
Xserverの「WordPress簡単インストール」は、ドメイン設定→SSL設定→WordPressインストール→初期設定までをワンクリックで完了させる。AIエージェントに委任する場合、この「初期セットアップの自動化度」がサーバー選びの重要な基準になる。手順が少ないほど、AIが介入すべきステップも減る。
また、XserverはWordPress用のサーバー最適化(Xアクセラレータ、高速化設定)が標準で有効。これにより、プラグイン側でキャッシュ系を入れる必要がない。SWELLテーマは「キャッシュプラグイン不要」を推奨しており、Xserverのサーバーレベルの高速化と組み合わせることで、プラグインの数を最小限に保てる。
ドメイン設計
ドメインは gorone-survival.com を取得。
設計方針は、日本語コンテンツが主軸だが英語展開も視野に入れるため、英語で通じるドメイン名にした。gorone(ごろ寝)は日本語のローマ字だが、survival との組み合わせでコンセプトが伝わる。
Polylang(多言語プラグイン)でサブディレクトリ方式(/en/)を採用する前提なので、ドメイン自体は言語に依存しない名前にしている。
サイト設計:5カテゴリの構成
サイト全体の設計は、AIエージェントに「サイトのコンセプトと持っている記事資産のリスト」を渡し、カテゴリ設計を提案させた。
カテゴリ構成
| カテゴリ | スラッグ | 内容 |
|---|---|---|
| ヘルニア療養ガイド | hernia-guide | 治療・リハビリ・購買ガイド |
| 健康経営の本音 | health-management | 認定の裏側・制度設計の実務 |
| 制約の中で働く | work-with-limits | 時間管理・音声入力・AI活用 |
| お金と生存戦略 | money-survival | 家計改善・投資判断 |
| キャリアと起業 | career-startup | キャリア構築・起業準備 |
このカテゴリ分類は、既存の記事資産をAIに分析させた結果。各記事のテーマとターゲット読者を評価し、5カテゴリに収束させた。
AIエージェントへの指示出し:設計情報のインプット方法
AIエージェントに実作業を委任する際、最も重要なのは「設計情報をどうインプットするか」。
今回は、サイト設計書(Markdown、約200行)を事前に作成し、Coworkセッションの冒頭でAIに読み込ませた。設計書には以下を含めた。
- サイトのコンセプトと目的
- 5カテゴリの定義とスラッグ
- 記事リスト(カテゴリ分類済み)
- 固定ページの構成(トップ、プロフィール、サービス、お問い合わせ)
- トップページのワイヤーフレーム(テキストベース)
- SWELLカスタマイザーの設定値(カラーコード、レイアウト方針)
- プラグインのリストと各プラグインの設定方針
この設計書をインプットした上で「WordPressの初期構築をして」と指示すると、AIが設計書に沿って自律的に作業を進める。途中で判断が必要な場面(例:カテゴリの表示順序、ナビゲーションの構成)では、AIが選択肢を提示してくれるので、音声入力で「1番で」と答えるだけ。
設計書の事前準備がなければ、AIとの対話が「何を作りたいですか?」から始まり、行き来が増える。設計書があれば、AIは自律的に作業を完了できる。この「設計書ドリブン」のアプローチが、AIサイト構築のキモだと考えている。
人間がやったこと vs AIがやったこと
実際の作業分担を整理する。
人間がやった作業(約20%)
| 作業 | 理由 |
|---|---|
| Xserverの契約・支払い | 決済は人間にしかできない |
| SWELLテーマの購入・ダウンロード | ライセンス認証が必要 |
| SWELLのアクティベート(ライセンス認証) | 会員メールアドレスでの認証が必要 |
| Googleアカウントの認証(Site Kit連携) | OAuth認証は人間が操作する必要がある |
| 管理者メールアドレスの確認メールクリック | メールボックスへのアクセスが必要 |
| 設計書の作成・レビュー | 戦略的判断は人間の領域 |
AIがやった作業(約80%)
| 作業 | 手法 |
|---|---|
| WordPress管理画面の設定変更 | Chrome拡張によるGUI操作 |
| パーマリンク設定 | 管理画面操作 |
| SWELLカスタマイザー設定(配色・レイアウト) | REST API経由 + 管理画面操作 |
| プラグイン8個のインストール・有効化・設定 | 管理画面操作 |
| カテゴリ5個の作成 | REST API |
| 固定ページ4本の作成 | REST API |
| グローバルナビ・フッターナビの構築 | 管理画面操作 |
| コピーライト変更 | カスタマイザーAPI |
| 不要なデフォルト要素の削除 | REST API + 管理画面操作 |
| Google Site Kitの設定(認証以外) | Chrome拡張操作 |
AIエージェントがWordPressを操作する2つの方法
AIエージェントがWordPressを操作するアプローチは2つある。
方法1:REST API経由
WordPressの標準REST API(/wp-json/wp/v2/)を使って、投稿・固定ページ・カテゴリ・メディアなどのCRUD操作を行う。認証はApplication Passwordsで行い、AIがHTTPリクエストを直接発行する。
メリット:高速、エラーが少ない、冪等性がある
デメリット:テーマ固有の設定やプラグインの設定画面には対応できない
方法2:Chrome拡張によるGUI操作
Claude in Chrome拡張を使い、AIがブラウザを直接制御する。管理画面を「人間が操作するのと同じように」クリック・入力していく。
メリット:REST APIに対応していない設定も操作可能
デメリット:ページ遷移に時間がかかる、DOM構造の変化に弱い
実際の構築では両方を併用した。データ投入系(カテゴリ・固定ページ)はREST API、設定変更系(プラグイン設定・カスタマイザー)はChrome拡張。この使い分けが効率化のポイント。
Opus と Sonnet の使い分け
Claude Max x5プラン(月100ドル)では、OpusとSonnetという2つのモデルを使い分けられる。
| モデル | 向いている作業 | 理由 |
|---|---|---|
| Opus | 設計書の作成、記事の構成策定、戦略的な判断 | 推論能力が高く、複雑な構造化タスクに強い |
| Sonnet | 定型的な設定変更、テキスト整形、単純なAPI操作 | 高速で、定型作業のコスパが良い |
サイト設計書の作成やカテゴリ分類のようなクリエイティブな判断はOpusに任せ、実際のWordPress管理画面操作やテキスト修正はSonnetに回す。これでOpusの利用枠を温存しつつ、全体の作業スピードを上げている。
コスト一覧
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| Xserver(スタンダード) | 990〜1,100円/月 | 契約期間で変動 |
| ドメイン(.com) | 年額約1,500円 | Xserver契約で無料の場合あり |
| SWELLテーマ | 17,600円(買い切り) | 複数サイトで使用可 |
| Claude Max x5 | 月100ドル(約15,000円) | サイト構築以外にも使用 |
| SuperWhisper | 月額課金(最上位モデル) | 音声入力全般に使用 |
| nuro光 10gb | 月2,980円(3年契約) | 回線 |
| 合計(初期) | 約20,000円 + 月額約20,000円 | — |
サイト構築だけの費用で見ると、Xserver + ドメイン + SWELL で約2万円 + 月額約1,000円。AIの費用はサイト構築専用ではなく、記事執筆・コンサル業務にも使うので、按分が難しい。
まとめ:設計書ドリブンのAIサイト構築
この記事のポイントは3つ。
1つ目、AIエージェントでWordPressを構築する場合、サーバーとテーマの選定は「AI操作との相性」で判断する。REST API対応、管理画面のDOM構造の安定性、カスタマイザーAPIの充実度が選定基準になる。
2つ目、設計書を事前に作り込むことで、AIの自律的な作業が可能になる。設計書がなければ対話回数が増え、体調に制約がある場合はそれだけで消耗する。
3つ目、REST APIとChrome拡張の使い分け、OpusとSonnetの使い分け、この2軸の最適化が作業効率を決める。
次回は「テーマ・プラグイン構成編」として、SWELLテーマの具体的な設定とプラグイン8個の選定理由・設定を解説する。
シリーズ記事
- 第1回:全体設計編(この記事)
- 第2回:テーマ・プラグイン構成編
- 第3回:多言語対応・SEO設計編
- 第4回:運用・自動化ワークフロー編
この記事について
- 執筆日:2026年3月
- サイト:ごろ寝サバイバル(gorone-survival.com)
- 著者:りょう
- 技術環境:WordPress 6.7 + SWELL + Xserver + Claude Cowork